■ 親から子へよみつがれる絵本 Part5 (2019.3.31発行)
紹介している絵本のリストは一概に何才向きということはありませんが読んでもらうなら3~4才、自分で読むなら小学校低学年が目安です。
![]() | 今日はいい天気。ぞうくんは、ごきげんで散歩に出かけます。途中で出会った、かばくん、わにくんを背中にのせ、かめくんをのせたところで、ついに…。 動物たちはシンプルにデザインされ、手描きの線と点のハーモニーが効果的です。幼い子は、お約束の展開を何度でも楽しむことでしょう。 |
ぞうくんのさんぽ
なかの ひろたか/作・絵なかの まさたか/レタリング 出版者:福音館書店 発行年:1977年 |
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![]() | 朝、かまきりのちょんの一日が始まりました。てんとう虫を追いかけ、アリの群れの中に落っこちて、あわててにげ出します。ようやく大きなトノサマバッタを捕まえて、満腹になると、やがて眠りにつきます。 すっきりとした白を背景に、昆虫や植物が、美しい色彩で写実的に描かれています。自然界での命の営みをとらえた、科学絵本です。 |
かまきりのちょん
得田 之久(とくだ ゆきひさ)/作・絵出版者:福音館書店 発行年:1967年 |
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![]() | かようびのよる、月明かりの中、睡蓮の葉に乗った無数のカエルたちが、空中を浮遊しながら町へ向かいます。家に侵入し、犬を追いかけ、自由奔放に飛び交います。 文字は、時を告げる文のみ。非現実的な一夜の出来事を、巧みな画面構成でリアルに描き、読者の想像をかきたてます。 |
かようびのよる
デヴィッド・ウィーズナー/作当麻 ゆか(とうま ゆか)/訳 出版者:福武書店 発行年:1992年 |
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![]() | 夕闇迫る曲がり道から、不気味なものが現れます。大きなガマや、迷い電車に、煙突男。次は何が出てくるのでしょうか。曲がり道は本当にドキドキします。 七五調の文章のくり返しと共に、曲がり道が次々登場します。深みのある色合いに、ぼかしを効かせ、日暮れの不吉な雰囲気を醸し出しています。 |
まがれば まがりみち
井上 洋介(いのうえ ようすけ)/作出版者:福音館書店 発行年:1999年 |
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![]() | 色とりどりの不思議な形が、「もけらもけら でけでけ」と次々に現れ、生き物のように動き、「ずばらば」と去って行きます。 ジャズピアニストが繰り出す音と、抽象画家がイメージした絵が響き合います。それはまるでジャムセッションのような楽しさ。リズムや音程を変えて読んでみて下さい。 |
もけら もけら
山下 洋輔(やました ようすけ)/文元永 定正(もとなが さだまさ)/絵 中辻 悦子(なかつじ えつこ)/構成 出版者:福音館書店 発行年:1990年 |
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![]() | 「こわくなんかあるもんか!」と家族みんなでクマがりに出かけます。草原や川、暗い森を通り抜けたら、本物のクマに出会ってしまいました。さあ大変! 子どものあそび歌をもとにしたお話が、想像力豊かな絵で展開されます。リズミカルな言葉のくりかえしですすむ冒険に、きっと心おどることでしょう。 |
きょうは みんなで クマがりだ
マイケル・ローゼン/再話ヘレン・オクセンバリー/絵 山口 文生(やまぐち ふみお)/訳 出版者:評論社 発行年:1991年 |
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![]() | 病弱な母に食べさせようと、3人の兄弟が、順に山梨もぎに出かけました。兄2人は、沼の主にひとのみにされてしまいました。最後にいよいよ、末っ子の三郎が挑戦します。 日本の民話が、味わい深い絵で表現されています。耳に残る独特の音や方言が、物語の面白さを強調し、自然への畏怖さえ感じさせます。 |
やまなしもぎ
平野 直(ひらの ただし)/再話太田 大八(おおた だいはち)/画 出版者:福音館書店 発行年:1977年 |
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![]() | デンマークに住む3歳の男の子イエペは、茶色のぼうしが大好きです。散歩の時も、部屋の中でもかぶったまま。保育園にいくときも、いつもいっしょです。 イエペの日常を、まわりの人々の優しく温かなまなざしで写し取った写真絵本です。 |
イエペは ぼうしが だいすき
石亀 泰郎(いしがめ やすお)/写真文化出版局編集部/文 出版者:文化出版局 発行年:1978年 |
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![]() | 旅人が広い砂漠でひとり、バスを待っています。いくら待ってもバスは来ません。夜がすぎ、朝になり、やっとバスが来ました。でも満員で乗れません。旅人は仕方なく歩いていくことにしました。 ラジオから漏れる「トントンパットン トンパットン」という軽快な音楽とともに、バスを待つ時間がゆるやかに流れます。 |
バスにのって
荒井 良二(あらい りょうじ)/作・絵出版者:偕成社 発行年:1992年 |
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![]() | 降りしきる雨の中へ、姉と弟が飛び出して行きます。そこにあるのは、足もとに広がる雨の輪。傘で受ける水の勢い。くもの巣の水滴。マンホールへ吸い込まれる流れ。雨粒の溜まる枝。ひとしきりあそんで満ち足りて帰ると、あたたかいお風呂が待っています。 雨の日の一日が描かれています。文字はありませんが、子どもたちの歓声が聞こえ、心の動きまでが目に見えるようです。 |
雨、あめ
ピーター・スピアー/作出版者:評論社 発行年:1984年 |
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![]() | 「骨はないか、骨はないか。」発掘たんけん隊が、恐竜の骨を見つけては、掘り出し、博物館に運びます。組み立てて復元すると、一頭の巨大なティラノサウルスの完成です。 鮮やかな色使いと、くっきりした輪郭が特徴的です。恐竜の発掘にたずさわる人々の仕事ぶりが描かれています。 |
ほね、ほね、きょうりゅうのほね
バイロン・バートン/作かけがわ やすこ/訳 出版者:佑学社 発行年:1992年 |
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![]() | きゅうりさんが歩いていくと、様々な動物に出会います。「そっちへいったらあぶないよ。ねずみがでるから。」誰に言われても、きゅうりさんはへっちゃら。どんどんすすんでいくと、ついに、ねずみに出くわしました。 エネルギッシュなきゅうりさんは、まるで幼い子そのものです。カラフルで力強いタッチの絵が、独特の世界へ引き込みます。 |
きゅうりさん あぶないよ
スズキ コージ/さく出版者:福音館書店 発行年:1998年 |
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![]() | 幼稚園に通う男の子マンヒは、狭いアパートから祖父母の広い一軒家に、引っ越すことになりました。その家は部屋がたくさんあり、広い庭は花や緑にあふれ、犬が3匹かけまわっています。 丁寧に描かれた韓国の伝統的な文化や家族の生活を、マンヒが自分の家を案内する形で紹介しています。 |
マンヒのいえ
クォン・ユンドク/絵と文みせ けい/訳 出版者:セーラー出版 発行年:1998年 |
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![]() | 弱きを助け、悪い奴にはめっぽう強い、ねぎ坊主のあさたろう。おようちゃんをいじめる悪党をこらしめ、回し合羽に三度笠姿で旅に出ます。峠では、きゅうりのきゅうべいが待ち伏せ。ねぎ汁の威力やいかに?! 擬人化された野菜は表情豊かで、手書きの文字が踊ります。七五調の浪曲にのせて、あさたろうが東海道を旅する様を描きます。 |
ねぎぼうずのあさたろう その1
飯野 和好(いいの かずよし)/作出版者:福音館書店 発行年:1999年 |
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![]() | 雄大なアラスカの地で、クマの親子が寄り添い生きています。季節は移ろい、命がめぐります。一方、はるか遠くはなれて暮らしている私たち人間にも、同じ時間が流れているのです。 この本は、星野氏が遺した写真と言葉をもとに作られました。きびしくも豊かな大自然の中でクマと向き合い、写真を撮り続けた彼の想いに圧倒されます。 |
クマよ
星野 道夫(ほしの みちお)/文・写真なかの まさたか/写真構成・レイアウト 出版者:福音館書店 発行年:1999年 |
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![]() | ガリレオは、多くの実験や観測をし、真実を追求しました。自作の望遠鏡で、地球は宇宙の中心ではないことを突き止めたため、教会から迫害されます。しかし彼は自説を曲げません。 緻密で美しい絵の中に、膨大な情報をちりばめ、ガリレオの生涯を描き出します。伝記絵本の先駆けとなった本作は、子どもから大人まで、それぞれに楽しめる絵本です。 |
星の使者 ガリレオ・ガリレイ
ピーター・シス/文・絵原田 勝(はらだ まさる)/訳 大川 修(おおかわ おさむ)/手書き字 出版者:徳間書店 発行年:1997年 |
※このブックリストは、絵本ごとに「えほんの勉強会」メンバーが執筆を担当し、高槻市立中央図書館で編集しています。