史跡今城塚古墳

高槻市にある全長約190mの前方後円墳。それが「今城塚古墳」です。淀川流域最大級の古墳で、国の史跡に指定されています。発掘調査と整備がすすめられ、2011年4月1日に、古墳公園と古代歴史館からなる「いましろ 大王の杜(もり)」がオープンしました。

1 今城塚古墳

整備前の今城塚古墳整備前の今城塚古墳
今城塚古墳は、淀川流域で最大級の前方後円墳です。
墳丘の長さは約190m。2重の濠を含めると約350mの大きさになります。出土した土器や古墳の形などから、6世紀前半につくられたことがわかっています。
昭和33年には、国の史跡として指定されました。宮内庁による陵墓指定は受けておらず、古墳には立ち入ることができ、濠では釣りをする人の姿がよく見られました。

2 発掘調査

うろこ状の「盛土ブロック」うろこ状の「盛土ブロック」
この今城塚古墳の整備・公開に向けて、平成9年から発掘調査がすすめられました。

墳丘の変形は、戦国時代に城塞として使われたからだと言われていました。それに加えて、安土・桃山時代に起きた地震も、墳丘の姿を変えた大きな原因であることがわかりました。また、墳丘を作る際に、どのように土を積み上げたのかも、発掘調査によって見えてきました。

3 埴輪群

復元された古墳公園の埴輪群復元された古墳公園の埴輪群
発掘調査がすすむと、前例のない規模の埴輪群が、古墳の周濠の土手から出土しました。多様な家形埴輪。巫女、力士、大刀、鶏、水鳥、牛、馬の埴輪。そして、柵や門の形をしたものも。これらの埴輪群が何を表しているのか、盛んな議論が続いています。

バラバラに壊れた状態で出土した埴輪は、コツコツと復元され、その姿を「古代歴史館」で見ることができます。また、「古墳公園」では、埴輪群が置かれた当時の様子が、複製品を使って再現されています。その様子は圧巻です。

4 大王の墓

今城塚古代歴史館今城塚古代歴史館
今城塚古墳は、6世紀前半の前方後円墳としては全国最大のもの。当時の日本列島各地の勢力をまとめていた「大王」のお墓と考えられています。「大王」とは、どんな人物だったのか、どうやってこの巨大な古墳を作ったのか。  現地に足を運び、一緒に考えてみませんか?